人は変わらない。だから”仕組み”で勝つ|新人が3日で戦力化する業務分解術
結論:人は変わらない。だから”仕組み”で勝つ
この記事の内容を4行でいうと:
人って急には変わらない
だから一人で全部やるスタイルから、
得意な人が得意な部分だけやるスタイルに変えて、誰でもできる仕組みを作るといいんですよね
正直に言います。
「もっと頑張ってほしい」「意識を変えてほしい」
そう思っても、人って急には変わらないんですよね。
10年やってるベテランの感覚を、新人に「気合いで身につけろ」って、そりゃ無理です。
だから発想を変えましょう。
作業の分け方を変えれば、新人でもすぐ使えるようになります。
ベテランも楽になります。教育にかける時間も減ります。
今回は、その具体的なやり方をお見せしますね。
現状診断:どこが”その人しかできない”状態なのか?

まず、
チェックリスト
□ 特定の人が休むと仕事が止まる
□ 「とりあえず○○さんに聞いて」が口癖になってる
□ マニュアルはあるけど誰も見てない
□ 新人が使えるようになるのに3ヶ月以上かかる
□ ベテランが「勘だよ」「経験だよ」って言って説明できない
□ 同じミスが何度も起きる
□ 全体が分かってる人が2人以下しかいない
3つ以上当てはまったら、今すぐ仕組みを変える必要ありますよ。
全体設計:一人で全部やるのをやめる

2つのやり方の違い
| 項目 | 一人で全部やる | 得意な人が得意な部分だけやる |
|---|---|---|
| やること | 一人が最初から最後まで全部 | 工程ごとに人を分ける |
| 育つまで | 全部覚えるから時間かかる | 一部だけならすぐできる |
| 品質 | 人によって差が出る | 部分ごとに揃えやすい |
| 採用 | 「全部できる人」探す | 「ここだけできる人」でOK |
| 向いてる時 | 少量で種類が多い時 | 大量で同じことをする時 |
いつ切り替えるべき?
切り替えた方がいいサイン
- 月に100件以上処理してる
- 新人の育成に1ヶ月以上かかってる
- ベテランが辞めそうでヤバい
- 忙しい時に人が足りなくてパニック
一つでも当てはまったら、分けるやり方に変えた方がいいですね
分ける:仕事を3種類に分けよう

ここが一番大事。仕事を3つに分けます。
A:センスで差が出る仕事
例えば:
- キャッチコピー書く
- デザインの最終決定
- クレーム対応で落とし所を見つける
- 値段交渉
誰がやる:ベテランとかリーダーだけ
B:誰でもすぐできる仕事
例えば:
- データを決まった場所に入力
- 商品を箱に詰める
- 決まった形式に書き写す
- チェックリスト見ながら確認
誰がやる:新人、派遣、パート、ここからスタート
C:流れが分かればできる仕事
例えば:
在庫から商品を取ってくる(優先順位を理解する必要あり)
最初の振り分け
簡単な問い合わせに答える
データの整合性チェック
誰がやる:Bに慣れた人が次にやる、1〜2週間でできるようになる
実際の例:3つの仕事での分け方

【採用の仕事】
- A:最終面接、給料とか条件の交渉
- B:応募者の情報入力、面接の日程調整メール
- C:書類選考(基準に従って振り分け)
【物流の仕事】
- A:配送ルート決め、トラブル対応
- B:商品を箱に詰める、伝票貼る
- C:在庫から商品取ってくる(場所と優先度の理解必要)
【コンテンツ作る仕事】
- A:企画考える、最終チェック
- B:画像のサイズ変更、形式を揃える
- C:下書き書く(テンプレに従って)
今すぐやること:5分だけ時間取って、自分の会社の仕事をA/B/Cに分けてみてください。
ベテランの「感覚」を誰でも使える形にする

ベテランの「なんとなく分かる」を、誰でも使える形に変えます。
ベテランに聞くこと
こう聞いてみてください:
- どんな時にその判断しますか?
- 何を見て判断してますか?
- どうやって判断してますか?
- よくある例外って何ですか?
- ダメな例を3つ教えてください
誰でも使える形にする
書き方
もし <こういう状況なら>
→ <こうする>
違うなら <こうする>
例外:<このパターンだけ>は上司に確認
良い例・悪い例:<写真>
実際の例:在庫取ってくる時の判断
もし 在庫が10個以下なら
→ 赤い「補充必要」のシール貼る
違うなら 普通に取ってくる
例外:賞味期限が3日以内の商品は個数関係なく上司確認
シールの場所:商品の右上の角(ダメな例:横に貼る)
マニュアルは短く

マニュアルって「短く、見やすく、すぐ直せる」が大事です。
3つの作り方
- 1枚にまとめる:A4用紙1枚、写真多め、文章は箇条書きだけ
- チェックリスト:やること書いて、印刷して使える
- 30秒動画:スマホで撮って、声で説明
ここは手を抜かないでください。長いマニュアルは誰も見ません。
配置:誰がどこをやるか決める

基本的な配置
ベテラン・リーダー
- AとCの難しい部分をやる
- Bはなるべくやらない(時給が高いから勿体ない)
新人・派遣・パート
- まずBからスタート
- 1週間慣れたらCに上がる
- Aは向いてる人だけ選ぶ
採用の考え方を変える

今まで:「全部できる人」探す → 見つからない、育てるのに時間かかる
例えば:
- データ入力が速い人 → Bで採用
- 物流経験ある人 → Cですぐ使える
- 文章書ける人 → Aで採用
全部できる必要ないんです。一つの工程のプロを集めるイメージ。
運用:作って終わりじゃない

仕組みって作って終わりじゃないです。使いながら育てます。
2つを同時に見る
マニュアル通りのやり方 と ベテランの実際のやり方 を両方見ます。
違いが見つかったら:
- マニュアルが間違ってる → 直す
- ベテランのやり方が非効率 → 標準に合わせる
- どっちも正しい → 両方書いとく
週のルーティン
月曜:先週の数字共有(処理した数/かかった時間/ミスの数)
水曜:現場の人に15分聞く(何か困ってない?)
金曜:マニュアル直す、更新履歴送る、来週の実験1個決める
更新履歴の例
マニュアルv1.2 更新(2025/01/10)
【追加】在庫10個以下の時の赤シールルール
【変更】取る優先順位を「出荷日」から「賞味期限」に変更
【削除】古いフォーマットの説明削除
これを毎週送る。現場が「マニュアルって生きてるんだ」って思えば、ちゃんと見るようになります。
明日から使える”すぐできる”キット

30日でやること
1週目:今の状態を分解
- 仕事を全部書き出す
- A/B/Cに分けてみる
- ヤバそうなTOP3を見つける
2週目:言葉にする
- TOP3についてベテランに聞く
- もし→ならの形で書く
- 1枚マニュアル作る
3週目:試す
- 新人1人でBをやってもらう
- マニュアルと実際の違いをメモ
- 直したバージョン1.1作る
4週目:本格スタート
- みんなで新しいやり方始める
- 週のルーティン開始
- 数字測り始める(処理数/ミス率)
そのまま使える型
A/B/C分けるチェック表
この仕事は:
□ やる人で結果が全然違う? → Yes なら A
□ 30分で教えて今日からできる? → Yes なら B
□ 全体が見えてないとミスる? → Yes なら C
判断の書き方
仕事の名前:_____________
誰がやる:A / B / C
もし <条件>
→ <こうする>
違うなら <こうする>
例外:<このパターン>
良い例:<定義>
悪い例:<写真>
よくある失敗と対策

失敗1:マニュアルがどんどん分厚くなる
症状:追加しまくって50ページに…誰も読まない
対策:
- 1つの仕事は1枚まで
- 詳しいことは別ファイルにリンク
- 3ヶ月に1回「使ってない部分」削除
失敗2:誰も見てくれない
症状:作ったけど現場が使わない
対策:
- 毎週更新して「生きてる」って思わせる
- マニュアル見ないとできない設計にする
- 見やすさ命(写真多め、文章少なめ)
失敗3:「例外だから」で崩れる
症状:「これは例外」って言って標準無視される
対策:
- 例外は絶対に上司承認入れる
- 月1で例外の発生率チェック、10%超えたら標準見直し
- 例外が多い項目は標準ルールに格上げ
まとめ:人は変わらない。だから仕組みでミスれない

人って急には変わらないんです。
今日やること:
- 会社の仕事をA/B/Cに5分で分ける
- ヤバそうなTOP3見つける
- 1個だけ「もし→なら」で書いてみる
今週やること:
- 1枚マニュアル1個作る
- 新人にBやってもらう
- 違うところ1個でも見つける
今月やること:
- 30日でやること全部終わらせる
- 週のルーティン始める
- 数字測り始める
人は変わらない。でもやり方は変えられる。
そして、やり方を変えれば、結果は変わります。
さあ、今日から始めましょう。
