安定を手放した日。育休から始まった自由の物語

ken

ボーナスが全カットで給与が95%になった

コロナ禍の2020年、会社からの冷たい通達を聞いた瞬間、俺の中で何かが変わった。

毎朝7時に家を出て、満員電車に揺られて会社に向かう
定時まで働いて、残業して、また満員電車で帰宅する
休日は疲れて寝て過ごす。

20年間、そんな生活を当たり前だと思っていた。

「安定した会社員」という肩書きに安住して、本当はどこか違和感を覚えていたのに、それを見ないふりをしていた。「みんなそうやって生きてるんだから」と自分に言い聞かせながら。

でも35歳になって、ふと思った

このまま定年まで、あと30年もこの生活を続けるのか?

そんな時、妻の妊娠が分かった。
子どもができる喜びと同時に、なぜか心の奥で「これがチャンスかもしれない」という気持ちが湧いてきた。

育休という名の「自由体験」

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会社では男性の育休取得を推進していた。建前上は
でも実際に2年間も取得する男性なんて、ほとんどいない

「2年も休んで大丈夫ですか?」 「復帰の時、ポジションありますかね?」

同僚たちの心配そうな声を聞きながら、正直に言うと、
俺はどこか期待していた。
この2年間が、何かを変えてくれるんじゃないかって。

育休が始まった最初の1ヶ月は、とにかく赤ちゃんの世話で精一杯だった。でも慣れてくると、ふと気づくことがあった。

時間が自分のものになっている。

これまで会社にいる時間は、全て会社の都合で動いていた。
会議があるから参加する。上司に呼ばれたら行く。
資料作成の締切があるから作る。

でも育休中は違った。
赤ちゃんの世話をしながらも、30分単位で自分の時間をコントロールできる。朝早く起きて読書をする。
昼寝の間にブログを書く。夜中に事業をする。

「あれ、俺って自分で時間を管理できるじゃん」

この当たり前のことに、35歳で初めて気づいた。

家族との時間が教えてくれたこと

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育休中、印象に残っているのは子どもとの何気ない瞬間だった。

公園で子どもが初めて立ち上がった時。大騒ぎした。
もし俺が会社にいたら、この瞬間を見逃していた。

夜中のミルクタイムも、最初は「眠いな」と思っていたけれど、だんだん貴重な時間に感じるように
静寂の中で子どもを抱きながら、この子の将来について考える。

俺は何のために働いているんだろう? 家族と過ごす時間と、会社での時間、どっちが大切なんだろう?

会社員時代は「家族のために働いている」と言っていたけれど、実際は家族との時間を犠牲にして働いていた。本末転倒だったんだ。

妻も最初は心配していた。「お金は大丈夫?」「復帰できなかったらどうしよう?」って。

でも育休中に俺がいきいきとしているのを見て、だんだん考えが変わっていった。

「あなたが家にいると、家族の雰囲気が明るくなる」 「前より笑うようになったよね」

妻のこの言葉が、俺の背中を押してくれた。

フェードアウトという選択

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育休が終わる3ヶ月前くらいから、会社からは「復帰の準備はどうですか?」という連絡が来るようになった。

でも正直に言うと、俺の心はもう決まっていた。

戻りたくない。

この2年間で分かったことがあった。
俺は会社員として働くことで、本当の自分を押し殺していたんだ。

副業で始めた物販の仕事も軌道に乗ってきていた。
収入はまだ会社員時代の半分くらいだったけれど、やりがいは比べものにならなかった。

そして、辞表を出す日がやってきた。

いや、正確には「辞表を出さなかった日」と言うべきか。

会社に電話をして、人事部長に伝えた。

「申し訳ありませんが、復帰は難しそうです。このまま退職という形でお願いします」

相手は少し沈黙した後、「分かりました。手続きはこちらで進めておきます」と言ってくれた。

電話を切った後、なぜかホッとした。肩の荷が下りたような、そんな感覚だった。

これで自由になった。

独立後のリアルな生活

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独立してから1年が経った。

収入は確かに不安定
会社員時代のように毎月決まった額が入ってくるわけではない
でも不思議と、お金に対する不安はそれほどない。

そして何より、時間の使い方が激変した。

朝5時に起きて、家族が起きるまでの2時間は完全に自分の時間
読書をしたり、新しいスキルを学んだり、ブログを書いたり。

日中は子どもと遊んだり、家事をしたり、仕事をしたり。全て自分のペースで。

夜は家族と過ごして、子どもが寝た後に仕事の続きをする。

「自分の人生を生きている」という実感がある。

もちろん、全てがバラ色ではない。

収入が少ない月は「大丈夫かな?」と不安になることもある
会社員時代の同期が昇進したという話を聞くと、「俺は正しい選択をしたのかな?」と迷うこともある。

でも、そんな時は子どもの笑顔を見る。妻の「お疲れさま」という言葉を聞く。

俺には、この幸せがある。

それで十分だと思えるんだ。

今モヤモヤしているあなたへ

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もしあなたが今、会社員生活に違和感を覚えているなら、それは決して珍しいことじゃない。俺も20年間、そのモヤモヤを抱えて生きてきた。

「安定を手放すのが怖い」
「家族がいるから冒険はできない」
「今さら新しいことを始めるのは無理」

俺も全く同じことを考えていた。

でも、行動してみて分かったことがある。

安定だと思っていたものは、実は不安定だった。

コロナ禍で俺が経験したように、会社はいつボーナスをカットするか分からない。給料を減らすかもしれない。会社自体が倒産するかもしれない。

一方で、自分で稼ぐスキルや経験、そして何より「自分で価値を生み出す力」は、誰にも奪われることがない。

物販で1年間で会社員の給料を超えた時、俺は確信した。

本当の安定は、自分で作るものなんだ。

選択肢は必ずある

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俺の選択が全ての人に当てはまるとは思わない。育休を取れない人もいるだろうし、いきなり独立するのはリスクが高すぎる人もいるだろう。

でも、選択肢は必ずある。

副業から始めてもいい。転職を検討してもいい。

働き方を変える交渉をしてもいい。
まずは有給休暇をしっかり取ることから始めてもいい。

大切なのは、「今の状況は変えられる」と信じること。

俺は35歳で人生を変えた。遅すぎることなんてない。

もちろん、会社員という働き方が向いている人もいる。それも立派な選択だ。

大事なのは、自分で選んでいるかどうか。

惰性で続けるのではなく、「俺はこの働き方を選んでいる」と胸を張って言えるかどうか。

あなたならどう選びますか?

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今、この記事を読んでいるあなた。

心の奥で、何かモヤモヤしたものを感じていませんか?

「このままでいいのかな?」 「本当はもっと違う生き方があるんじゃないかな?」

そんな気持ち。

もしそうだとしたら、それは決して悪いことじゃない。むしろ、新しい人生への扉が開こうとしているサインかもしれない。

俺の物語は、たった一つの例に過ぎない。あなたにはあなたの物語がある。

あなたならどう選びますか?

もし同じような悩みを抱えているなら、コメントで教えてください。一人で抱え込む必要はありません。

選択肢を一緒に考えましょう。

あなたの人生は、あなたが主人公です。

最後に

安定を手放すのは怖い。でも、自由を手に入れる喜びは、その怖さを上回る。

俺は今、毎朝目が覚める時に「今日も自分の人生を生きよう」と思える。

これが、俺にとっての本当の豊かさなんだ。

もしあなたも同じような豊かさを求めているなら、一歩踏み出してみてください。

小さな一歩でいい。

あなたの物語は、まだ始まったばかりです。

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